土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

英和辞典2

長野市(2008.9.16)から。

吉村昭氏は江戸時代、船が漂流して無人島へたどり着いたり、外国の船に助けられて異国の地を踏んだりした漂流民の作品(実話)を数多く執筆しています。


たとえば12年におよぶ無人島生活の後に故郷へ帰還した「漂流」があります。1981年に同名で映画化もされました。


また、初航海で破船漂流してアメリカ船に救助された船乗りの生涯を描く「アメリカ彦蔵」があります。彦蔵はピアース、ブキャナン、リンカーンの三代にわたる大統領に官邸で会い、握手も交わしています。


江戸時代、漂流民が日本へ帰った後、幕府が厳しい取り調べをした記録が数多く残っています。当時、キリスト教が禁止されていましたから信者になっていては困る時代背景がありました。


前に下記文献を読んでいたら漂流民が作った英会話集の記述がありました。


ワタ、ワーター=水(Water)
グーモ=グッドモーニング(good Morning)=おはようござりまする
サンキュウ=かたじけのうござりまする
メイヤー(市長)=大名
ブレ(BREAD・パン)=麦餅
ハム=獣肉の蒲鉾(かまぼこ)仕立


ハムをかまぼこ仕立てと訳していたのは面白いですね。江戸時代、豚肉、牛肉は一切、食べませんでしたから獣(けもの)肉と言っていたようです。


<引用・参考文献>
文藝春秋,平成23年9月臨時増刊号「吉村昭が伝えたかったこと」(作家生活の原点、三陸で語った史実へのこだわり)p.33-34

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