土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

一芸に秀でた人

信濃町(2010.9.1)から。

学生の頃(41,42年前)、将棋部の同級生と将棋タイトル戦の対局(大山康晴永世名人VS中原誠永世名人)を見に行ったことがあります。両対局者の和服がきれいで整然とした雰囲気に圧倒されました。


帰りのエレベーターに乗った時、小説家として有名な阿佐田哲也氏が同乗されていたので同級生と感激した思い出があります。


吉村昭氏が東北地方に講演に行った時、係の人から下記の話をきいたという記述が文献(縁起のいい客)にあります。
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将棋の名人大山康晴氏を講師にお招きし、講演を終えて控室にもどってきた氏が、
「今日の聴衆は××名ですね」
と、言った。
係の人は、そんなことがなぜわかるのか不審に思いながらも調べてみた。聴衆の方には入場の折にパンフレットを渡し、そこにナンバーが押されていたが、それを見ると入場者は、氏の口にした数とぴたり一致していたという。
どうしてわかるのですか、とたずねると、椅子が並ぶ客席が将棋盤と同じように縦、横の線で構成されているので、一見してすぐわかる、と言ったという。
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私はテレビ番組で大山康晴氏が「将棋の駒が生き物のように思える」といっていたのが印象に残っています。また、本で「最初のチャンスは見送れ」と書いてあったことも。


一芸に秀でた人の言葉の記憶は、何年経っても消えません。


<引用・参考文献>
吉村昭「縁起のいい客」pp.120-121,文春文庫,朝日新聞2001.5.11

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