土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

「甲乙」が入る古い土地地番

中野市梨久保から。

郊外や山間部の土地に”甲乙”が入った古い土地地番をまれに見かけることがあります。
例えば842番甲、842番乙のように。
これはどうしてでしょうか。
文献に


「2 脱落地の付番方法
土地台帳・公図上の地番として,「3番甲,3番乙」の記載を見受けることがある。
これは,脱落地について付番処理をした結果であると考えられる。
地押調査の際に脱落地を発見した場合の付番方法として,明治18年(月日不明)大蔵省・「実地取調順序」第11条は,『脱落地地番ハ隣地ノ番号ヲ甲トシ,脱落地ニハ其乙番号(或ハ其町村ノ末番号ヲ附スルモ妨ナシ)附スヘシ。』と規定している。
 この規定によれば,脱落地の付番・方法は,脱落地の隣接地が3番の場合,3番甲とし,脱落地は3番乙とする処理をすることとされていたものである。」


とあります。


脱落地だったために甲乙の文字が入ったようです。脱落地であるため、まれにしか見られないのかもしれません。
ただし、地籍調査(国土調査)が入れば甲乙の文字は数字に変更されます。


下記サイトに
「Q8 脱落地とは
 脱落地とは、明治時代の地租改正において官有地と民有地を区分した際に、その作業から漏れてしまった土地や民有地として誰も所有を主張しなかった土地のことをいいます。そのため、字図(公図)に地番が付されていません。また、地番が付されていたとしても土地登記簿が存在しません。」とあります。
財務省九州財務局
http://kyusyu.mof.go.jp/zaisan/main/qa.html


<引用文献>
友次英樹「増補版 土地台帳の沿革と読み方」p.144-145,日本加除出版

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