土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

建物認定

飯山市から。
今回のテーマは難しいので写真だけご覧ください。

専門書「表示登記教材 建物認定 4訂版」が届いたのでパラパラめくっていたらゴルフ練習場のページに目が止まりました。この本は写真付きの建物認定基準集で私の愛読書の一つです。


不動産登記規則111条では、建物登記の要件の一つに”屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し”をあげています。ただし、例外として荷物積卸場、野球場の観覧席のように周壁がない部分を有する場合でも建物として登記が認められています。


荷物積卸場は、卸売市場や大型トラックで荷物の積み降ろしをするトラックターミナルなどにみられます。荷役(にやく)作業効率化から周壁の一部がないことがあります。


文献(建物認定4訂版)によるとゴルフ練習場(屋外)を例にあげ下記のとおり説明しています。
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これは、ゴルフの練習場です。用途上、打球の飛ぶ方向が開放されていますが、その他には周壁があり、土地への定着性もみられ利用目的とその規模等を考慮すると、建物と認定することができます。
参照準則77条1号イ
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用途性が重要なようです。考えてみれば打つ方向に壁があったり、シャッターをつけたりすることは屋外の練習場において非現実的です。建物内にあるゴルフ練習場は別として。


昔、出入口にシャッターがなく、常時開放されている倉庫の表示登記ができるのかどうかわからなかったことがあります。つまり、未登記建物として扱うのか構築物として扱うのかどうか。この場合、小規模のため登記不可の案件でした。


東京都大田区の水産加工工場でアルバイトしていた時(40年前)、運送担当者から”大型トラックが出入りするトラックターミナルには食堂、床屋、診療所などなんでもあるんだよ”と言われたことをふと思い出しました。当時アルバイト先の会社が借りていた冷凍倉庫(マイナス20度~40度)へ夏場何回か行きましたが、最初に出入りするとき、”言っておくけど心臓が瞬間止まるよ”と言われたことも。
<引用・参考文献>
「表示登記教材 建物認定 4訂版」p.69,一般財団法人民事法務協会,R5.3.31
<参考規則準則>
不動産登記規則111条(建物)
第百十一条 建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。
不動産登記事務取扱手続準則77条
(1) 建物として取り扱うもの
ア 停車場の乗降場又は荷物積卸場。ただし、上屋を有する部分に限る。
イ 野球場又は競馬場の観覧席。ただし、屋根を有する部分に限る。
<参考サイト>
京浜トラックターミナル(日本自動車ターミナル)
https://www.j-m-t.co.jp/terminal/keihin.html

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