土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

無散水

小谷村(2010.4)から。

雪国では、主に飲めない井戸水をくみ上げて道路の路面に埋め込まれたパイプを通じて水を散布する装置(散水融雪システム)をみかけます。道路に積もった雪を地下水で溶かす役割を果たしています。最近、不凍液を利用した方法もあるようです。


しかし、散水した水はね、地下水のくみ上げ規制、地盤沈下等の問題が発生しているので、近年、無散水融雪システムへ切り替える自治体が増えています。


無散水融雪システムは、地下水の温度の高さ(16度~18度)を利用し、地中に埋め込んだパイプ内に井戸水を循環させて道路に降った雪を溶かす仕組みです。つまり、道路の床暖房のような感じでしょうか。


長野市は、無散水融雪システムを人通りが多い長野駅や善光寺周辺に導入しています。また、傾斜した狭い道路が多い野沢温泉村の市街地では、多くが無散水になっています。


長野市で事務所を開設して間もない頃(1994年)、同業者が”あの道路はむさんすいになった”と言っていましたが、意味がわかりませんでした。”むさんすい”は何ですかとも聞けずに。


地下水は年中一定温度であることが特徴です。
私が小学生の頃、冬に親戚がきて母の洗い物を手伝っていた時”なんて水が暖かいんでしょう”と言っていたことを覚えています(ブログ水道の種類2参照)。


しかし、下記サイト(日本地下水学会)では地下水温の上昇が報告されています。
「最近では、従来ほぼ一定と言われてきた地下水温が、近年徐々に上昇しているという報告があります。ここ15年で1~2℃上昇したそうです。涵養域の耕地面積の現象や地球温暖化が原因と推定されていますが、はっきりしたことはわかっていないようです。」


地表では温暖化と騒がれていますが、地下でも温暖化が進みつつあるようです。
<参考サイト>
日本地下水開発株式会社
https://www.jgd.jp/
公益社団法人 日本地下水学会(地下水の温度はほぼ一定ですか?)
http://www.jagh.jp/jp/g/activities/torikichi/faq/138.htm

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