土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

地上権5

地上権と地役権をシリーズで続けてきましたが最後になります。専門的なので写真だけ楽しんでもらえれば幸いです。
中野市から。


鉄道や新幹線が地下を通る場合、下記のような区分地上権登記(例は架空)がされます。


<地上権設定>
目的 鉄道構築物設置のため
範囲 東京湾平均海面上700.00mから東京湾平均海面上723.10mの間
存続期間 鉄道構築物存続期間中
地代 無償
特約 一 設定範囲内は、土地を掘削しまたは形質の変更をしないこと
一 東京湾平均海面上735mの地表面において鉄道構築物にかかる載荷重1㎡につき4t以下とすること
一 鉄道構築物の維持、保全及び列車運行に支障又は危険を及ぼす恐れのある工作物等の設置並びに土地の形質の変更をしないこと
地上権者 〇〇


上記の内、※載荷重(さいかじゅう)は近年、トンではなくてキロニュートンが使われるようになりました。例えば1㎡につき39.23KNのように。


この例(4t以下)だと特約があっても所有者は木造住宅を建てることは可能ですが、鉄骨造のマンションは建築できなくなります。


トンネル上部の山林(地上権登記なし)を買った業者が土地の掘削を始めて事件になったニュースが昔ありました。たとえ山間部の山林であっても地上権の登記がないと鉄道の存在すらわかりませんから、無理もありません。


※載荷重(下記サイトより)
基礎底面より上部の土などを単に加えた荷重をいう。
<参考サイト>
建築SOHO.net
http://www.architectsoho.net/

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