土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

古い地名11(飯山市)

飯山市(2014.5.2)から

飯山市には変わった古い地名(諸説あり)があります。
たとえば戸狩(とがり)=鳥狩で狩場の意、秋津(あきつ)=日本の古名である蜻蛉洲(あきつ)に由来など。


また、小佐原(こざわら)の地名は、付近を流れる皿川(さらがわ・一級河川)の字名たる小皿が語源であったことを知り、納得したことがありました。皿川(さらがわ)は砂の多い底の浅い皿のような川をいうそうです。


皿川は令和元年10月堤防が決壊し、市街地が広範囲に浸水しました。当時、皿川は小河川のため浸水時に洪水浸水想定区域に指定されていませんでした。しかし、浸水後、水防法が改正され中小河川にも洪水浸水想定区域の指定ができるようになってから指定された経緯がありました。


それに、小佐原の西側に「藤の木」の地名(大字旭・藤の木交差点付近)があり、文献(新しなの地名考)に下記記述があります。
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藤の木は親鸞上人・蓮如上人旧蹟の伝承を持つ地で、ここに泊まった親鷲が、当時村の名が冷沢であったのを、冷沢では百姓の住む所としてはふさわしくない。我が姓は藤原であるが、一字を与えるから藤の木とせよ、といわれたので、以後藤の木としたという伝説がある。
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川の名前で「冷沢」とつくのは長野県内(例)にいくつかありますが、私の知っている範囲では「冷沢集落」というのは聞いたことがありません。


木島平村往郷(おうごう)に部谷沢(へやざわ)という地名(集落)があります。冷沢の「冷」を「部谷」に置き換えたのではないか?と地元の人に聞いたことをふと思い出しました。
(例)
安曇野市⇒冷沢(つめたざわ)
大町市⇒大冷沢川(おおつめたざわがわ)
大町市⇒小冷沢川(こおつめたざわがわ)
<引用・参考文献>
信濃毎日新聞社「新しなの地名考」pp.130-131,昭和50年

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