土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

所要の補正3

野沢温泉村から。

前回の続き。
所要の補正で多いのが高圧線下の補正。送電線下地は高さ制限による建築規制があるので減額する根拠になっています。


送電線下地は電圧の大きさ(電気設備技術基準)によって建てられる建物の高さが異なります。
たとえば中部電力では77,000Vの送電線(東京電力66,000V)が多くみられますが、低層建物(1~3階)の建築が可能です。中層や高層の建物は建てられない可能性が高いので、マンション建築が困難になります。ちなみに170,000V超は建築禁止になっています。


所要の補正として線下地に地役権登記がある場合、市町村は面積によって補正率を定められますが、登記がない場合、線下地面積がわからないので一律の補正率を定めていることがあります。


補正率の例
1 面積割合
線下地面積割合0.3未満⇒補正率0.9
同割合0.4未満⇒補正率0.8
同割合0.6未満⇒補正率0.7
同割合0.8未満⇒補正率0.6
同割合0.8以上⇒補正率0.5
ただし、市町村によって面積割合が10%未満は、がけ地補正を準用して補正しないことがあります。


2 一律補正
 面積にかかわらず3%,5%,7%


補正の対象は宅地と宅地並み雑種地(例:駐車場・宅地比準雑種地)にしている市町村があるほか、宅地に限定している市町村があります。もちろん田畑は対象となりません。
また、中高層の建物の建てられる可能性が低い市町村では高圧線下の補正自体をしていないのが実情です。

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