土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

ハチの子

中野市(2017.3)から

先日、道の駅でハチの子の甘露煮ビン詰めが売っていて値段をみて驚きました、高くて。


小学生の頃、長い棒を持ってハチの巣をつついて落とし、しばらくしてから落ちた巣にいるハチの子取りの遊びをよくしました。危険な遊びで何回かやっているうちにハチに刺され、じんましんが出て医院へ直行だったことも2回ぐらいあった気がします。


また、学校のグラウンド地下にジバチが巣を作るために掘った穴に水を注ぎ、怒ったジバチをコーラビンの中に何匹捕まえるか友達と競い合う遊びもしました。


そういえば父が酒のつまみとして油でいためたハチの子のビン詰めを冷蔵庫に毎年保存していました。長野県の北部ではハチの子取りが盛んであったように覚えています。病人の見舞いに甘露煮のビン詰めを買っていく人もいたくらいに。


文献(信濃の食文化)に天皇陛下(昭和天皇)もハチの子を召し上がった記述(信濃毎日新聞,昭和22年10月14日)があります。その基になった新聞記事によると太平洋戦争敗戦後、全国視察を続けられていた陛下は、長野県内をご訪問(S22.10.12~10.14)されました。松本市でお泊まりになった際の夕飯の献立は松タケ、紅マス、岩魚、ハチの子、コイ、それに野菜でした。そしてハチの子を食べられた陛下の感想は”非常においしかった”とのお言葉(信濃の食文化)。


このエピソードをきっかけにハチの子の甘露煮は世に知られ、信州特産品としての市民権を得たそうです。しかし、私の周りにハチの子が食べられる人はいないのが実情です。
<引用・参考文献>
今村龍夫「信濃の食文化」p.76, 昭和61年4月発行

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