土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

相続登記3

須坂市峰の原高原(2021.2)より

令和5年4月1日の民法改正により、越境する隣地の竹木の枝を切取りに関するルールが改正されました。改正後の民法第233条第3項の内容(下記サイト参照)は次のとおりです。
<竹木の枝の切除>
土地所有者による枝の切り取り
越境された土地の所有者は、竹木の所有者に枝を切除させる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、枝を自ら切り取ることができるようになりました。
1.竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
2.竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき
3.急迫の事情があるとき


実務上問題となる一つに、竹木の所有者たる土地所有者又は相続人がどこにいるのかわからないことがあります。


前に、放置された空地(古家跡)にケヤキの大木があり、相続登記がされていないため土地所有者の不明な場所がありました。隣地に住宅があり、その所有者は”空地に生えているケヤキの枝が家の屋根に多数伸びてきて葉っぱや枝の処理に毎年困っている。それに切ってもらいたいが空地の相続人が誰でどこにいるのかわからない。”と相談を受けたことがあります。


ケヤキは落葉が多いほか育ちやすく大木になりがちで。雑木は処分費がかかりますが、ケヤキはケースによってお金になることがあります。15年ほど前、実家の工場脇にあった大きなケヤキ二本を木工業者に購入してもらいました。父は生前、”家にあるケヤキは模様が悪い”と言ってましたから金額的には期待したほどではありませんでした。模様は表皮の意味のようでしたが・・・。


古家の維持管理はたいへんですが、更地でも生えている大木の維持管理や処分に困る時代になりました。2024年4月1日から相続登記が義務化されるので隣地の相続人が特定できるようになりそうです。
<参考サイト>
狛江市【民法改正】越境した竹木の枝の切取りルールの変更
https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/41,html

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