土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

相続登記2

長野市(2010.1)から。

令和6年4月1日より不動産相続登記が義務化されます。
相続人にとって困ることに「親が住んでいる居住地以外に土地を持っていた」事実を知らないことがあげられます。ただ、権利証又は登記識別情報のない又は見つからない場合ですが・・・。


私は父の相続手続きをしている最中に、小学生(50年前)の頃、父と母の3人で〇〇市にある山奥へ行ったことを思い出しました。そこには父の所有する山林があり、初夏の頃でしたが周辺に残雪があったように覚えています。父は山師を自負し、山を持つことにこだわっていました。


税金面において〇〇町内に同一人が所有する土地、家屋のそれぞれの課税標準額が次の金額に満たない場合には、固定資産税は課税されません。また、〇〇町外の〇〇市に山林を数筆持っていたとしても合計30万円未満の課税標準額にすぎない場合も非課税になります。当たり前ですが非課税のため納税通知は発送されません。
・土地 30万円
・家屋 20万円


居住地外の〇〇市で試しに「名寄帳」を取ってみたら8筆の山林があり、合計課税標準額は30万円未満でした。場所は想像つきましたが資産価値はないように思えました。


権利証や登記識別情報が見当たらない負の遺産たる山林を所有する人は、存在を相続人へ知らせておく必要があります。


令和8年2月2日から上記のような山林がわかる所有不動産記録証明制度がスタートします。相続登記が義務化される影響でしょうか、便利な制度です。
下記サイトにその説明があります。
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【現状】
(略)
○ その結果、所有権の登記名義人が死亡した場合に、その所有する不動産としてどのようなものがあるかについて相続人が把握しきれず、見逃された土地について相続登記がされないまま放置されてしまう事態が少なからず生じていると指摘されている。


所有不動産記録証明制度について
相続登記の申請の義務化に伴い、相続人において被相続人名義の不動産を把握しやすくすることで、相続登記の申請に当たっての当事者の手続的負担を軽減するとともに登記漏れを防止する観点から、登記官において、特定の被相続人が所有権の登記名義人(※)として記録されている不動産(そのような不動産がない場合には、その旨。以下同じ。)を一覧的にリスト化し、証明する制度を新設
(略)
▶ 何人も、自らが所有権の登記名義人として記録されている不動産について本証明書の交付請求が可能
▶ 相続人その他の一般承継人は、被相続人その他の被承継人に係る本証明書について交付請求可能
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<引用・参考サイト>
法務省民事局(令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント)
https://www.moj.go.jp/content/001401146.pdf

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