土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

菜種と煙草

小川村(2010.11)から。

文献を読んでいたら下記記述がありました。江戸時代、奥信濃地方(長野県北部)では菜種やタバコ栽培が盛んだったようです。
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菜種は冬作で、川中島平から北部飯山盆地まで広く栽培された。食用油と灯油としての利用が多く、江戸では「信水」(信州の水油)として人気があったという。善光寺平で収穫された菜種は河東地方の須坂・小布施・中野などの油屋で搾油して付加価値をつけ出荷された。寛政五年(一七九三)には、中野・小布施・須坂・川辺四か所の町・在の油屋仲聞惣代が集まり規定を作っている。(略)
山沿いの村では、煙草生産を背景に煙草仲間もできていた。(略)
煙草の出荷先は江戸・越後の高田で、その道筋で失荷等の災難にあったときに対処するため、"煙草頼母子講(たのもしこう)"など共済組合もあった。天保四年(一八三三)川東五か村三四名の煙草商人が、仲間規定を定めている。
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江戸時代、信水と呼ばれた長野県産菜種油は江戸で人気があったようです。
農林水産省のサイトによれば令和4年産なたね(子実用)の作付面積の都道府県別ランク(上位)は下記のとおりですが、北海道は全体の57%を占めています。長野県は5位以内にも入っていませんでした。なお、輸入量(R2)はカナダ産が大半を占めています。
1位北海道(57%) 2位青森県(10%) 3位福島県(8%)


煙草(たばこ)というと母方の祖母を思い出します。キセルでタバコを長年たしなんでいました。若くして夫を亡くし、唯一の楽しみだったと聞いたことがあります。
タバコにも頼母子講があったようです。
昔、実家へ遊びにきていた叔父が”これからコウへ行くんだ”と言っていたことをふと思い出しました。
<参考サイト>
農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kome/kougei/r3/natane/index.html
<引用・参考文献>
金井喜久一郎・古川貞雄監修「図説・奥信濃の歴史(下巻)」p.132,1995年

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