土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

古い地名10(県)

飯綱町(2011.11)から。

長野県の地名に「県」(あがた)と読む場所があちこちにあります。たとえば東御(とうみ)市県、松本市県、長野市県町など。また、「小県郡」も”ちいさがたぐん”と読みますから”あがた”と似ています。ネットで調べてみたら他県にも「県」の地名がありました。


昔、なぜ”けん”と読まないんだろうと疑問に思ってましたが、最近、読んだ文献に「県(あがた)」の説明があり納得しました。
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県(あがた)とは国造(くにのみやっこ∥国の首長)の統治する国の下部行政区画か天皇の直接支配した領地の行政区画、つまり現在の市町村のような行政区画であった。国の成立しない地方では県だけで地方行政の単位となっていたのである。県という言葉のもとは神社または天皇に献上された田、つまり献(あ)げ田が語源で、畿内には早くからみられるが、その分布は一般に重要地点に多く分布している。信濃国など一般の地方では五世紀頃大和朝廷に従った頃から成立したものが多いといわれている。信濃でも長野市の県町、松本市の県や小県郡のように各地に県地名が多く残っており、小県とは小子部(ちいさごべ)の県であろうといわれている。
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県=献げ田が語源とは改めて驚きました。県の場所は確かに各地の中心地や市街地にあります。
地名は諸説ありますが、古い地名に間違いなさそうです。
<引用・参考文献>
菊池清人「佐久の開拓史」p.58,昭和53年,千曲川文庫11

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