土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

前納報奨金

小川村(2010.11)から。

下水道受益者負担金・分担金の金額について調べていたら前納報奨金を設けている市町村がありました。前納報奨金とは一括納付により納期限前に納付した場合、交付の対象となり、実質負担金が少なくなる制度です。


下水道受益者負担金は、市町村によって土地面積に1平方メートル当たりの単価をかけた金額であったり、建物1戸あたりの金額であったりします。その金額(公共下水道)は長野県(R3時点)の場合、市町村又は地区によって幅があり、1㎡当たり130~750円、1戸あたり23.5~70万円になります。


ふと、江戸時代中期の真田藩家老恩田民親(おんだたみちか・恩田木工(おんだもく))の藩政改革を思い出しました。


文献によると
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このように、その年の年貢を、秋の米収穫以前の四月から月割による金納で先納させている。これを年貢月割先納制といって、宝暦年間(1751~1763)の家老恩田杢(木工)の藩財政改革の中で重要施策として実施され、幕末まで続いた。早期に納入した分については、割引制がとられている。(略)
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江戸時代も前納報奨金に似た制度がありました。家老恩田杢は改革をして財政を立ち直したことで有名ですが、具体的にどういう政策だったのか謎でした。また、半知借上(注)を廃止したことでも知られています。


(注)半知借上(はんちかりあげ)→コトバンク(旺文社日本史事典 三訂版)より
江戸時代,藩における財政救済法
御借上・上米・半知・借知ともいう。諸藩主が家臣の知行俸禄を継続的に削減すること。はなはだしいときは俸禄の半ばにも達したので半知といった。江戸中期以降一般化したために武士層は貧窮化していった。
<引用・参考文献>
大岡村誌編纂委員会/編集「大岡村誌 歴史編」p.206,1998年

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