土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

投石

上田市(2010.5)から。上田市にはため池が多くみられますので決壊した場合の浸水想定区域が公表(参考サイト参照)されています。

テレビの大河ドラマや歴史物を見ていると鎧(よろい)武者が刀を振り回して相手の防具の上から切りつけるシーンをよく見かけます。


昔、刀がどうして折れないのか不思議に思っていました。
あるとき、下記文献をみて納得しました。


文献(歴史REAL VOL.1)によると
「鈴木氏は戦国時代の始まりとされる応仁・文明の乱(1467~1477年)から、島原の乱(1637~1638年)までの史料延べ142点をもとに、1567人の負傷者(一部、死因の明確な戦死者を含む)について、負傷要因と比率を明らかにしている。鈴木氏によれば「矢疵(きず)が38.0%、鉄砲疵が23.8%、槍疵が19.8%、石・礫疵が12.4%。刀疵は3.7%で、薙刀(なぎなた)疵とあわせても5.9%しかない。鉄砲疵が少ないことに驚かれた方もいるかもしれないが、これは鉄砲が普及する以前の期間まで含めて対象としているためだ。鉄砲疵が確認される永禄6年(1563)以降の状況を見れば、負傷者の45・2%を鉄砲疵が占めており、矢疵は17・3%に落ちている。この分析から戦場で使用された武器のトップは、鉄砲の普及前は弓矢で、鉄砲の普及後は鉄砲になることは確かだ。」
とあります。


戦いにおいて武器は鉄砲や弓矢が中心で、刀を使うことは極めて少なかったことがわかります。


違う文献(図説日本合戦武具事典)に
「三方が原では武田軍が戦闘開始時に徳川軍に石礫(いしつぶて)を乱投して悩ませている。」とあります。


石を投げるのは原始的ですが、戦国時代よく用いられたようです。
<参考サイト>

<引用・参考文献>
「歴史REAL VOL.1 戦国合戦を科学する」pp.35-.36,洋泉社MOOK,2011年
笹間良彦「図説日本合戦武具事典」p.131,柏書房
鈴木眞哉「戦国時代の大誤解 (PHP文庫)」

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