土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

所要の補正7(その他の比準割合)

小川村(2011.4)より

今日は専門的な話になります。
前に、不動産調査で水道配管図を取ろうとしたら”埋設管はありません”と言われました。対象不動産は行き止まり道路沿いに倉庫が点在する郊外の住宅地域にあり、近くの市道沿いに水道埋設管はありますが、前面道路に給水管や埋設管がなかったので評価にあたって水道の減価したことがあります。


その時、水道の有無を固定資産税評価ではどう処理するのだろうと考えました。


自治体(固定資産評価事務取扱要領等)の固定資産税評価において水道の引き込みがない場合の減価額を、市街地宅地評価法適用地域では固定資産税の路線価に反映させる、その他の宅地評価法適用地域では「その他の比準割合」として減価(補正率)することが考えられます。


ただし、その他の宅地評価法適用地域内にある農家住宅地域には井戸水を使っていることがあるので自治体によって「散在地区」「集落地区(村落地区)」は減価しない扱いとし、「集団地区」のみ減価することがあります。


実務上、複雑なのは標準宅地(その他の宅地評価法適用地域)に水道がないケースや前面道路に水道管がなくても近くの道路埋設管から給水管として引き込んでいるケースが挙げられます。


昔、別荘地域で道路埋設管である給水管が70m~80mもあったので驚いたことがあります。何区画もあった地域のため役所で”別の土地に給水管が別途引けますか”と聞いたら”そうしたら道路が給水管だらけになってしまうので今ある給水管を共同使用してください。”と言われました。


集団地区----専用住宅が相当連たんしている地域(家屋の連たん度が高い地域)
散在地区----家屋の散在する地域(家屋の連たん度が低い地域)
集落(村落)地区-農家、漁家等の集落(家屋の連たん度が低い地域)


<参考文献>
固定資産税税務研究会編「固定資産評価基準解説(土地篇)」一般財団法人地方財務協会,R3年版

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