土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

「論所」という地名

上田市塩田平から。大昔、流鏑馬(やぶさめ)が盛んだったという案内板がこの近くにありました。

長野市丹波島1丁目に「論所(ろんしょ)」という地名があります。
これは文献(更北地区の地名)に
”寛政元年(1789)6月の犀川洪水で、割目西端と上氷鉋村との境界周辺の用水が埋没し、文化8年(1811)から翌年まで境界紛争が行われた。幕府直接の裁きで上氷鉋の勝訴となった。この紛争地となった上氷鉋村地籍の一部と割目の一部を含めて「論所」と呼ぶようになった。”とあります。
 この中で割目(わりめ)の意味は”往時犀川支流が数条流れていたものを丹波島宿設置のころ治水が行われ、耕地となった地域と思われる。その際、耕地を整然と区画したことから「割目」と呼んだものであろう”と同文献にあります。


 下記サイト(内閣府)にも
「中条堤の補強や維持管理について上流と下流で論争・紛争が噴出(別名『論所堤』)」
とありますから山の争いだけでなく、水害関係にも論という字は深い関係がありました。
内閣府 防災情報ページ
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/senmon/daikibosuigai/2/pdf/shiryou_3.pdf


<引用文献>
更北地区地名調査委員会編「更北地区の地名」25p

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