土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

建築協定2

小川村(2012.7)から。

前回のつづき。
建築協定の効力は、協定の認可の公告の日以後において土地の所有者等となった者に対しても、その効力がある(建築基準法第75条)とされていますので、協定後に所有者や借地人となった者も協定を遵守(じゅんしゅ)する義務があります。
建築基準法第70条によると協定に定めるべき事項は、次のとおりとされています。
一 建築協定区域(建築協定の目的となる土地の区域)
二 建築物に関する基準(建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準)
三 協定の有効期間
四 協定違反があった場合の措置


定めることができるものとして多いのは敷地の最低面積(例:200㎡以上)、分割禁止、用途(専用住宅に限る)制限があります。


紛らわしいのは自治体によって建築基準法第53条の2に基づき敷地最低面積を定めていることがあります。


例えば、東京都杉並区(サイト参照)では商業系用途地域を除く全地域に敷地最低敷地面積を定めています。
(1)敷地面積の最低限度を都市計画で定めました。この規制は、用途地域の都市計画決定後、分割により新たに生じる敷地が対象となります。なお、今回の都市計画決定以前からすでにある建築物の敷地は、規制の対象になりません。
(2)指定建ぺい率に応じて敷地面積の最低限度を、地区計画区域に定められている区域を除き、以下のとおり指定しました(ただし書、略)。
・指定建ぺい率30%→敷地面積100㎡以上
・指定建ぺい率40%→敷地面積80㎡以上
・指定建ぺい率50%→敷地面積70㎡以上
・指定建ぺい率60%→敷地面積60㎡以上


この規制は市町村全体に及ぶので、この面積より広くしたい場合、建築協定(狭い範囲)や地区計画(広い範囲)制度を活用する必要があります。


前に、東京の同業者から建築協定区域内に囲まれた建築協定区域外の土地(駐車場)があって、最低面積を下回っていたので評価に苦慮した話を聞いたことがあります。建築協定区域内になってしまうと将来の土地利用(建物建築不可)に制限が生じてしまうので区域外となったようです。
<参考サイト>
杉並区(最低敷地面積)
https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/712/sg1683_p4.pdf

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