土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

建築協定3

飯山市(2012.7)から。

建築協定区域隣接地(建築基準法第70条第2項)という制度があります。


下記文献によると
この建築協定区域隣接地の制度は、平成7年の改正により導入されたもので、協定時には参加の同意は得られていないが、将来、参加することによって、その協定がより効果的なものとなると、協定参加者達が参加を希望する土地を協定に定めておいて、協定参加の手続きを簡略化しようとするものである。
これは、建築協定区域に隣接した土地(当然のことながら、条例で定める区域内でなければならないが)であって「建築協定区域の一部とすることにより建築物の利用の増進及び土地の環境の改善に資するものとして建築協定区域の土地となることを、当該建築協定区域内の土地の所有者等が希望するもの(建築基準法第70条第2項)」を協定に定めておくものである。
この建築協定区域隣接地内の土地の所有者等は、いつでも書面による参加の意志を表示すれば、協定に加わることができ、その意志表示のあった土地は、その段階で、協定区域の一部となるというものである(建築基準法第75条の2第2項から第4項まで)。一人協定の場台でも、この協定区域隣接地を設けることができる(建築基準法第76条の3第3項)。


とあります。


実務上、建築協定区域隣接地の多くが建築協定区域内にある穴抜けの土地になります。東京にいる頃、穴抜けの土地があまりに多い建築協定があったので締結の難しさを実感したことがあります。


建築協定は現地で看板や案内板がでていないことが大半ですので、調査にあたっては注意しなければなりません。
昔、別荘地の調査で対象不動産(空地)に建築協定隣接地の案内板が掲げられていました。建築が進んでいない地域でしたので所有者にとって合意が不安だったのかもしれません。
また、県外では商業地域(近隣商業地域等)にも建築協定の締結されている地区(例:三重県四日市市)があり、用途制限(ホテル・旅館・パチンコ店等禁止)があります。


それまで”建築協定は戸建住宅が建ち並ぶ住宅地域を規制するものだ”という間違った先入観を持っていました。
<引用・参考文献>
高木任之「全訂都市計画・建築法規のドッキング講座」p.249,近代消防社,平成16年
<参考サイト>
四日市市(建築協定について)
https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1507799161766/index.html

×

非ログインユーザーとして返信する