土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

御所ことば

写真は小川村表立屋から。北アルプスが映えます。

 前に、医師兼作家篠田達明氏の「歴代天皇のカルテ」を読んでいた時、御所ことばの一般化(普通語)したものが載っていました。
 参考文献に「御所ことば」がありましたので図書館から早速借りてきました。この文献によると
”一般語化した御所ことば
一般語としても用いられるほど広まった御所ことばとしては、杓子を「しゃもじ」、髪を「かもじ」、腹を「おなか」、「すし」を「おすもじ」、強飯を「おこわ」、「水」を「おひや」、うまいを「おいしい」その他がある。”
また、同文献からほかに一般語化しているものを探してみますと
”頭=オツム、甘鯛=グジ、かき餅=オカキ、すまし汁=オツユ、飯櫃=オヒツ、味噌汁=オミオツケ”
がありました。
それに
”御所ことばの語構成上の特徴としては、接頭辞「お」による構成、接尾辞「もじ」による構成が多数を占めていることである。”
とありました。ことばの最初に「お」や最後に「もじ」がつく言葉は、御所ことばを疑ってみる必要がありそうです。
例:お土産物、お雑煮、おむすび、おじや、おかゆ


落語の「八五郎出世」にこんなやりとりがあります。
お殿様「ササは食べるか」
大工の八五郎「貧乏してきていろいろな物を食べたけど。トラじゃないからササは食べません」
家来が「ササは酒のことじゃ」


同文献によると殿様が言ったササは、
”ゆどの・躾書・女中・女言・女詩・草・女官・隠語(江戸時代)『撈海一得』上に「今女の言に酒をささと云う”
とありました。
女中用語(公家用語)の一種だったようですから、長年のひっかかりが解消されました。
<引用文献>
篠田達明「歴代天皇のカルテ」新潮新書
井之口有一・堀井令以知「御所ことば」19p,25p,114p~120p,昭和49年
立川志の輔「志の輔らくご 両耳のやけど3 -八五郎出世」CD

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