土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

御幣川

長野市中条(2010.11)から。

長野市に篠ノ井御幣川(しののいおんべがわ)という地域があります。昔、御幣川の読み方がわからなかったことや「御」という字がつくので由来を調べたことをふと思い出しました。"ごへいがわ?"と読んだ気が・・・。


文献(北国街道を歩く)によると下記説明があります。また、長野市誌(第九巻)にも類似の説明がありました。
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御幣川の名前
氏神様の幣川(みことがわ)神社の由緒書によれば慶長年間、田用水の溝を掘っていたところ黄金の御幣を発見した。それには「八幡宮」と彫ってあり、おそらく兜につけてあったものとみられる。これによりこの地を御幣川、神社を幣川神社と呼ぶようになった。別の説、中世この辺りは伊勢神宮の御厨が置かれていた。御厨から御幣料を貢献していたことにちなむという。
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また、違う文献(長野県の地名)に御幣川村の下記説明があります。
「御幣川村 長野市篠ノ井御幣川
現篠ノ井南部。北国脇往還に沿う村。中世藤長御厨に属し、建久三年(1192)八月の皇太神宮建久己下古文書に、藤長御厨のうちから供祭物として「長日御幣料日別代布二丈」とある布を貢進した村里とする説がある。」


「藤長御厨(ふじながみくりや)」は前のブログ「古い地名2」2022/09/05でも出てきました。そのブログでは「御厨」の字が読めなかった話題でした。


地名は諸説ありますが、個人的には伊勢神宮由来説のほうが有力のように思っています。


ネットで調べたら百科事典ウィキペディアによると三重県を流れる御幣川の下記説明がありました。
「御幣川(おんべがわ)は、鈴鹿川水系の支流で、三重県中北部を流れる一級河川。河川名は、かつてこの川で採れる鮎が伊勢神宮に御贄として献納されており、それに先立ち川面に御幣を立て神事を執り行ったことに因む。」
<引用・参考文献>
傳田重義「歴史の道 北国街道を歩く」p.211,平成12年
(有)平凡社地方資料センター編「長野県の地名」p.838,1979年,(株)平凡社

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