土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

盛土規制法

飯綱町(2009.11)から。

「宅地造成等規制法」が抜本的に改正され、「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)に生まれ変わり、令和5年5月26日から施行されました。


この盛土規制法は危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する法律で、改正前の宅地造成工事規制区域では規制の対象ではなかった「単なる土捨て行為や一時的な堆積」についても規制されるのが特徴です。


今後は宅地造成工事規制区域及び特定盛土等規制区域の新たな指定により盛土規制が強化されます。
1 宅地造成工事規制区域(下記サイト参照)
 市街地や集落、その周辺など、人家等がまとまって存在し、盛土等がされれば人家等に危害を及ぼしうるエリア。(森林や農地を含む)
2 特定盛土等規制区域
 市街地や集落からは離れているものの、地形等の条件から盛土等がされれば人家等に危害を及ぼしうるエリア。(斜面地等)


令和5年9月に広島県は両規制区域を指定して運用を開始していますが、各自治体では規制区域指定のための基礎調査を進めています。


また、盛土に関して別の規制があります。
たとえば長野県では「長野県土砂等の盛土等の規制に関する条例」を制定(R5.1.1)していて、一定規模以上の盛土(面積が3,000平方メートル以上または高さが5メートル以上の土砂等の盛土)等については、原則、県の許可を必要としています。なお、長野県では改正前の宅地造成工事規制区域の指定をしている市町村がひとつもありません。


また、大規模な土石流が起きた熱海市の静岡県では、盛土に関して条例で一定規模(面積1000平方メートル以上または盛土等の土量1000立方メートル以上)の要件を厳しくしています。


前に文献(敷地・地盤のキホン)を読んでいたら下記記述が気になりました。
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盛り土は意外に重い。例えば50㎝の厚さの盛り土は、おおむね木造2階建て程度の建物の荷重に匹敵する。
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盛土は意外と重いことに驚きました。
軟弱地盤が多い水田を造成して分譲住宅地にする場合、水田の層厚は50cm~60cmくらいなので、盛土の高さは必然的に50cm以上になります。
<引用・参考文献>
日経アーキテクチャー編「敷地・地盤のキホン」pp.75,67,高安正道執筆,2010年9月
<参考サイト>
国土交通省「盛土規制法の概要」資料3
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/content/001490955.pdf
国土交通省 宅地造成及び特定盛土等規制法
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/morido.html

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