土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

地層の変化

小川村(2012.11)から。

仕事でボーリング調査による柱状図をみることがあります。柱状図には深度によって地層の状況が記載されています。


たとえば深度3~17.5mはシルト質粘土(N値4~7)、深度18~20mはシルト質砂レキ(N値50)のように。一般的にN値(標準貫入試験値)が小さいと地盤は軟弱になります。


文献(戸倉町誌)に沖積層堆積状況の記載がありました。
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その最下部層の約45mは主として円礫・砂礫層である。この礫が多いことは当時の流速が大きかったからである。それがその上部の約50mは主として砂質粘土層である。これは流速が急速に弱まり運搬力が衰えた証拠である。さらにその上部の約50mが砂礫層,さらにその上部約40mが地表近くまで円礫・砂礫層で再び流速が増大したことを示している。
これを概略的にとらえると,この厚い積層は下部から上部へ,礫質-砂質、粘土質一礫質と変化している。これは堆積した千曲川の流速が,大-小-大と変化したことを示していることになる。」
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大昔、千曲川の流速が変化していました。
この場所は千曲川からほど近く、昔は河川地だったり、湿地帯(後背湿地)であったりした歴史があると思われます。それに沖積層が約180~190m堆積しているそうです(同文献)。


川の流れは砂レキ層が早く、粘土質層が遅いことから昔は川だったところでも、洪水で流れが変わったのかもしれません。
<引用・参考文献>
戸倉町誌編纂委員会「戸倉町誌第1巻 自然編」p.67,平成3年

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