土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

炭の特性

千曲川(2010.8)から。
道路元標が手前に写っています。

前に水害(千曲川)に関する文献を読んでいたら、興味深い記述がありました。
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沿岸住民の知恵”境界石”
水難地域では、境界論争が起る。このために境界石が設けられる。境界石は文字や印が刻まれない自然石が多いため、いつとはなしに埋没したり、境界石であることが忘れ去られてしまいやすい。隣家との境界を示す自然石の下には、炭が埋められている場合がある。炭は半永久的に消えないので、境界石が持ち去られても、その位置は歴然と残るからであるという。ほんのわずかな土地にも愛着をいだいてきた日本人の生活の智恵であろう。
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遺跡調査で炭素を使った年代測定(放射性炭素年代測定)がおこなわれます。遺跡発掘で出土した土器、土等にわずかな炭が残っていると思います。炭は半永久的に消えない特性を有するから年代測定に使われるのかもしれません。


それにしても炭の特性を大昔から知っていた住民の知恵に感動しました。


下記サイト(富山市)では、最近、土器についている「おこげ」から、年代を測定することが可能になったそうです。


<引用・参考文献>
「信濃の巨流 千曲川」pp.253-254,企画/発行:建設省北陸地方建設局千曲川工事事務所,平成5年2月24日
<参考サイト>
富山市(縄文時代の年代を科学的に測る)
https://www.city.toyama.toyama.jp/etc/maibun/kitadai/j_kouza/kouza-09.htm

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