土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

飛鳥時代

上田市角間渓谷(2006)から。洞窟の中に岩屋観音が祀られています。

古い案内板(旧真田町)によると、この洞窟に鬼(妖怪)が住んでいて、征夷大将軍坂上田村麻呂が退治して観音様を祀った言い伝えがあります。


文献を読んでいたら胃腸薬や便秘薬としてよく使われる「大黄(ダイオウ)」の記述がありました。
--------------
大黄十五斤
持統天皇の8年(694)、都はそれまでの飛鳥の地から大和三山にかこまれた美しい藤原宮にうつった。昭和36年1月、その藤原宮跡の溝の中から1枚の木簡(もくかん・木の荷札)が発掘された。それには「高井郡大黄」「十五斤」と表裏に墨で書かれていた。大黄は中国北方の原産で、その根茎が漢方薬の健胃剤につかわれた。日本には野生しないので、この大黄が中国産のものと同じかはっきりしない。あるいは同種の野草の根を大黄とよんだのかもしれない。(略)ちなみに大黄15斤であるが、当時の重量物用の大秤(はかり)で1斤は671g、15斤で10,065gになる。当時の東山道はまだよく整備されていなかったから、おそらく人の背で乾燥した大黄を藤原宮まではこんだものだろう。
--------------
長野県上高井郡産(須坂市・小布施町・高山村)と思われる約10kgの乾燥した大黄を朝廷へ献上してました。なお、パンの単位として使われる斤(キン)の単位は約600gですが、木簡の単位は約670gだったようです。


現在も活躍している薬草ですから、飛鳥時代でも効果は抜群だったのでしょう。


前のブログで紹介したルバーブの和名は「食用大黄」ですから仲間になります。


ふと、長野県青木村に飛鳥時代後半の開湯と言われる田沢温泉があることを思い出しました。飛鳥時代は短かったですが存在感がありました。
<引用・参考文献>
須坂市教育委員会「ふるさと須坂、歴史と文化財」p.4,昭和63年
<参考サイト>
上田市の文化財(岩屋観音洞窟)上田市マルチメディア情報センター
https://museum.umic.jp/bunkazai/document/dot151.html
JA長野県(ルバーブのことをもっと知りたく思いました)
https://oishii.iijan.or.jp/products/post-1072 


2006年当時の古い案内板(旧真田町)

×

非ログインユーザーとして返信する