土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

縄文時代の時代区分

安曇野市(2020)から

新聞(信濃毎日新聞)に城跡の発掘調査(埋蔵文化財)で使った地下4~5メートルの地層を抜き取るジオスライサーという機械(県埋蔵文化財センター提供写真)が掲載されていました。深い地層に対応したものですが、便利で専門的なものがあるものだなと感心しました。


私は埋蔵文化財の大半が地下1メートルくらいの所に埋まっているものかなと思っていた時期がありました。しかし、中には地下深くに眠っていた遺跡が発見された下記文献をみて考えが変わりました。


文献(掘ってわかった信州の歴史)によると下記説明があります。
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第2節 縄文時代の遺跡
(略)
干曲川沿岸の遺跡
長野盆地の沖積地では、長野市松原遺跡(略)をはじめとして、千曲川の砂層に深く埋没した遺跡がみつかっています。長野市石川条里遺跡では地下2.5mから前期初頭の集落、千曲市屋代遺跡群では、地下4mから掘立柱建物跡が伴う中期末葉の環状集落(略)、地下6mから中期前葉の集落がみつかりました。
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上記で縄文時代(同文献)の前期初頭は7000年前から5000年前、中期は5000年前から4000年前にあたりますから気の遠くなるような昔です。ただし、縄文時代の時代区分は別の考え方があるようです。


松原遺跡は地下3メートルに埋まっていた縄文遺跡ですが、1989(平成元)年から3年に及ぶ発掘調査(上信越自動車道)で発見されました(同文献)。


現代において深く埋没した遺跡発掘は、ジオスライサー(ロングジオスライサー)のような機械がなければ調査が長期におよぶのかもしれません。


ふと昔、学芸員の方から”1万年以上前の縄文遺跡が発見されたらすぐに現地へ見に行く”と言われたこと思い出しました。年代によって価値がずいぶん違うようです。
<参考記事>
信濃毎日新聞社「新聞記事(2023/7/9)」3面,リポート信州
<引用・参考文献>
長野県埋蔵文化財センター「掘ってわかった信州の歴史-長野県埋蔵文化財センター-30周年記念誌-」pp.18-19,24,平成25年
<参考サイト>
復建調査設計株式会社
https://www.fukken.co.jp/business/jiban/geoslicer/

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