土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

山林の縄縮み

飯山市斑尾高原から。


山林の登記面積が実際の面積より多くなっていることを「縄縮み」といいますが、今でも山林に数多く見られます。
その理由は?
文献に
「これは、明治9年「山林原野調査法細目」(資料42)第1条2節において、「山岳ハ斜面側面ニテ間数ヲ量り反則ヲ算出スヘキモノトス」と規定されているところから、傾斜地については、水平距離ではなく斜距離によって測量したものがあるところから、公簿地積が実測面積より多くなっているものであろう。」
とあります。


確かに斜距離だと傾斜が急なほど長くなってしまいます。
明治時代、山林の斜距離を測る場合、小枝や雑草の伐採作業がたいへんだったと思います。蚊、アブ、ハチ、蛇がたくさんいたでしょうし。
ただ、現代でも山林測量のたいへんさは同じかもしれません。


<引用文献>
新井克美「登記手続における公図の沿革と境界」p.146,テイハン,1984年

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