土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

隠(かくし)の地名

長野市戸隠から

先日、戸隠方面へ現地調査に行ってきました。戸隠神社中社近くのそば店で昼食をとりました。ここはそば団子もおいしい店ですが、観光客にあまり知られていないので車が停められました。


その際、飯山市にも千曲川近くに「戸隠」という地名があるのを思いだし、戸隠という地名に興味を持ちました。


文献によると
「各地の地名に当たっているうちに、上掲の例のように「戸隠」「諏訪隠」「浅間隠」「駒隠」などなどの分布がわかってくるに従って、興味を覚えるようになり、現地を調べてみると、その地域の人々が朝な夕なに見る山や湖が見えない地点をいう地名だということがわかってきました。たとえば、「諏訪隠」は諏訪神社下社春宮前の大門近くの地名で、ここは地域の象徴の諏訪湖が見えない低地のために生まれた地名と思われます。「駒隠」は箕輪町帯無川の河川敷の中の地名ですが、ここは南岸の土地が高くなっているために、ここからは、このあたりのどこからも朝夕仰ぐことができる駒ヶ岳(木曽駒)が全く見えないのです。ですからこんな理由からこの地名が発生したものと考えられます。「浅間隠」も同様に浅間山が見えない窪地状の所とみられます。こうなりますと、「戸隠」も同じ性格の地名と考えてもよいように思われ、飯山市にも分布がみられます。」


また、群馬県に絶景が有名な浅間隠山があります。下記サイトによると東吾妻、中之条町側から見ると、浅間山を隠してしまうところから「浅間隠山」と名づけられた山だそうです。


「隠」という地名の意味を再確認しました。


東吾妻町
https://www.town.higashiagatsuma.gunma.jp/www/kankou/contents/1204118270407/index.html
<引用・参考文献>
松崎岩夫「長野県の地名 その由来」p.391,1991年,信濃古代研究所

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