土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

建物階層

安曇野市(2009.2)から。

建物調査において、屋根裏の小屋があるのに登記されていない場合、階層に含めるかどうか悩むことがあります。


例えば、登記上木造2階建ですが、屋根裏に部屋があり物置として利用している場合に3階建にするか否か。


準則では下記のように規定しています。
不動産登記事務取扱手続準則第81条
4.天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階等(特殊階)は,階数に算入しないものとする。


文献(建物表示登記の実務)に
「居宅などで,屋根(小屋)裏や階層の中間を利用して設けられた物置(物入)等が,よく見受けられるが,この場合にも,もっぱら天井の高さ(天井が斜めの場合は,その平均の高さ)が1.5m以上であるか否かにより階数の算入不算入を判定することになる。なお,当該部分を利用するための階段や梯子が常設されているか否かは,その判定の要素とはされない。」
とあります。


実務上、下記の重要な先例(同文献参照)がありますので注意が必要です。


「一方,天井の高さが1.5メートル以上であるか否かに言及せず,塔屋(3層)が,階段室,エレベーターホール,エレベーター室,エレベーター機械室,高置水槽室及び冷却装置室であることから,当該部分は,建物の附属物であるとして,階数(従って床面積)に表示しないとする先例(注2)がある。これは,地下階に設けられた設備機械室など(用途性がないものに限られる。)においても妥当する考え方である。このように,特殊な階層がある場合には,階数に算入すべき部分であるのか否かを,天井の高さ又はその用途性(人貨滞留性)について,現地調査により適切に判定する必要がある。」
(注2)塔屋の階数・床面積参入について(昭和38年10月22日民甲2933号民事局長通達)。建物の附属建物のため参入しない。


<引用・参考文献>
内野篤「建物表示登記の実務」pp82-83,平成29年,日本加除出版

×

非ログインユーザーとして返信する