土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

水路介在土地

小川村(2009.10.13)から。

先日、都市計画法における開発行為関連書類を整理していたら水路介在土地の案内書(行政)が出てきました。だいぶ前の書類でしたが、昔、水路幅1m以下は建築基準法第43条ただし書きの許可がいらない特定行政庁(建築主事を置く地方公共団体)がありました。


背景に地方都市では、道路と敷地の間に水路、認定外公道(赤線)を介在する物件が多い実態があります。そのためか固定資産税評価上、地方公共団体によっては水路幅1m以下は所要の補正を適用しない所がありますし、水路介在補正(用排水路補正)そのものがない所も多くあります。
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「平成10年の建築基準法の改正により、建築物の敷地と道路との間に水路がある場合は、「建築基準法第43条ただし書きの許可」が必要となりましたが、当該特定行政庁においては独自の取扱いを定め、幅員1m以下の水路については許可申請不要と運用してきたところです。しかし、法の平等性や透明性の観点から見直しを行い、〇年〇月〇日をもってこの取扱いを廃止することとしました。このことにより、暗渠等の道路構造物以外の水路は、幅員1m以下であっても「建築基準法第43条ただし書きの許可」の申請が必要となりますので、ご承知おきくださいますようお願いします。」
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建築基準法改正(平成30年)によって、新たに法43条2項1号に基づく認定制度が創設され、従来許可として取り扱っていたものの一部について認定の取扱いとなりました。


そこで、建築基準法第43条ただし書きの許可は、現在、同法43条2項1号認定制度・同法43条2項2号許可制度に変わっています。


敷地が建築基準法の道路に接していなくても、建築基準法 43 条 2項 1 号の規定に基づく認定あるいは同法43条2項 2 号の規定に基づく許可により建築が可能となります。
<43条2項1号>
たとえば幅員4m以上の農道、林道、河川管理用通路、水路敷が道路状に整備された道などに2m以上接する土地は、特定行政庁の認定(建築審査会の同意不要)が受けられます。ちなみに地方に多い幅員3mの農道は認定が受けられません。
<43条2項2号>
上記認定の要件にあてはまらないものについては、建築審査会の同意を得て許可されます。


建築審査会は長野市及び長野県のおいておおむね年2~4回開かれています。
・長野市の建築審査会は年4回の開催
・長野県の建築審査会は年2~4回の開催
・他県の新潟県は年1~4回、石川県は0~2回


私の自宅は水路に接している土地にあります。昔、増築するとき、建築審査会の同意が必要だったせいか建築確認を得るのにずいぶん時間がかかったことをふと思い出しました。
<参考サイト>
東京都都市整備局 第43条第2項に基づく認定・許可の取扱い
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kijun/43.htm
埼玉県 建築基準法第43条第2項第2号による許可のご案内
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/118431/43annnai_030330.pdf

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