土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

下水道配管3

千曲市(2011.9)から。

下水道には下記3種類があり、通常、戸建て住宅地には公共下水道が引き込まれています。
1 公共下水道
2 都市下水路
3 流域下水道


(1)下水道
昔、自治体の下水道課で道路埋設管の配管図を取ろうとしたら、”下水処理区域内ですが道路に埋設管はないようです”と言われたことがあります。現地は傾斜地であるためか敷地の端に下水本管があり、隣地へ通じていました。つまり、道路から引き込んでいるわけではなく、敷地内に公共の下水本管(無償)がありました。この場合、地上権や地役権のような権利の設定登記がないので外観からは本管の存在が確認できない状態にありました。


このように下水本管は道路に必ず埋設されているとは限らないことを実感したことがあります。


(2)都市下水路
「都市下水路」は市町村が管理する下水道(下水道法第26条)の一種ですが、主として市街地の雨水排除(浸水防止)のために設けられるもので小規模な河川に多く見られます。したがって汚水を流しているわけではありません。


現地調査した時、住宅地図の表示が〇〇川となっていたので一級河川かどうか役所に聞いたところ”都市下水路です”との回答を受けたことがありました。ちなみに長野県には海がないので二級河川はありません。


(3)流域下水道
「流域下水道」は、二つ以上の市町村の区域にわたる広域的な下水道で、流域内の各市町村から発生する下水を効率的に集めて処理する下水道です。終末処理場の数を減らすことができる特徴があります。


2019年10月、長野市赤沼にある千曲川流域下水道の下水処理場が、千曲川の氾濫で浸水し、機能停止となりました。そのため長野市の一部や須坂市、小布施町、高山村の約143千人に影響がおよび、復旧(2021.3)までに長期間かかりました。


<参考サイト>
神奈川県(流域下水道って何?)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/h2v/cnt/f215/p1096006.html
長野県千曲川流域下水道下流処理区終末処理場
令和元年東日本台風災害からの復旧と課題について(BCPへの反映に向けて)
令和4年(2022年)11月25日、長野県環境部生活排水課
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001574777.pdf

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