土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

舟石

飯綱町(牟礼村と三水村合併)にある舟石のようす。平成15年当時の牟礼村天然記念物に指定されています。

現地案内板によると
「長径9.6m、短径5.3m、高さ4.3m、岩質輝石安山岩
舟の舳先(へさき)に似た形をしていることからこの巨石は舟石(ふないし)とよばれています。舟石は、数十万年前に起こった火山噴火でできた一世代前の古飯綱火山が、その後火山の爆発や地震などにともなって崩れ、岩の塊としてここまで運ばれてきたものであることが、岩質を調べることでわかります。このように火山体が崩れて、なだれのように早い速度で山麓に流れ下る現象を「岩屑(がんせつ)なだれ」といいます。・・省略・・文献上では、すでに江戸時代の寛文七年(1667)の記録のなかに「舟石」「舟石尻」の耕地名が記されています。土地の名前になるくらい、舟石はこの地域のシンボル的な存在だったのでしよう。石の上には細長い溝があり、ここには常に水が溜まっています。・・省略・・さまざまな病気に効くという民間信仰があり、「神霊水」」と呼ばれて大切にされてきました。昭和初年頃まで遠方からこの「神霊水」を汲みにきた人々もいたといわれます。」と記述。


確かにこの辺の字名は「舟石」、ほかに旧牟礼村内では「石原」3個所、「平石」2個所があるほか、「ワレ石」「蒸?石」などもあります。


また、牟礼村誌によると
「高岡地区には、袖之山の「舟石」や野村上茶臼山周辺の「馬把石(まんがいし)」をはじめとする二十数個にものぼる巨石が点在する。・・省略・・これらは、当時の古飯綱火山の火砕流で形成されたもので、同一の岩片で構成されていたり成層火山の構造を残したりした巨大なブロックから成るとみられる。堆積後、軟らかな周囲が差別浸食され、高さが強調された可能性が高い。層の厚さは、200~300mである。」と記述。


火山や火砕流による噴出物の厚さが200~300mというのもすごいですね。毎日地震のような感じだったのかもしれません。


今回は、旧ホームページ(閉鎖)のブログ(2007年5月24日)に「地質の謎」の題名で記載していたのを要約しました。
<引用・参考文献>
「牟礼村誌 上」p.21,平成9年

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