土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

古い地名2

飯山市から

長野市に「川中島町御厨」という地名があります。インターネットがない時代に「御厨」の読み方がわからなかったので文献(長野県の地名)で調べたことがありました。その文献には富部御厨(とんべのみくりや)の下記説明がありました。
「吾妻鏡」文治2年(1186)3月の乃貢未済庄々注文の中に「富部御厨」と記される。(略)

また、下記文献(千曲川の今昔)に「御厨」という地名は、伊勢神宮の荘園であった記述があります。
「古代から中世にかけて梁が設置される場所は伊勢神宮の荘園である御厨が置かれた地域に多いことが知られている。後述するように千曲川の中流域には村上御厨(坂城町)、布施御厨(長野市篠ノ井)、藤長御厨(長野市篠ノ井横田)、富部御厨(長野市川中島)、保科御厨(長野市若穂)があり、御厨所属の梁との関連が注目される。」


御厨は地名(大字)として残っていない地域でも坂城町に御厨社古墳や村上御厨神社があったり、長野市篠ノ井西寺尾に(富部御厨)岡神明神社があったりします。


荘園という言葉に地名の歴史を感じました。
<引用・参考文献>
日本歴史地名体系20巻「長野県の地名」p.842,1979年,平凡社
社団法人北陸建設弘済会「千曲川の今昔」p.228,監修国土交通省北陸地方整備局・千曲川工事事務所,H13

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