土地評価のブログ

不動産鑑定士の日々

筆界未定地(ひっかいみていち)

山ノ内町志賀高原から。


たまに筆界未定となった土地を見かけることがあります。
文献(Q&A表示に関する登記の実務1巻)に
「筆界未定地とは,国土調査法による地籍調査において,一筆地調査を行った際,土地所有者の立会いが得られなかったとき,又は筆界に争いがある等の理由によって隣接する土地相互間の筆界が確認できなかった場合に,当該部分の筆界を「筆界未定地」として処理したものをいう。(略)」
とあります。


実務上、1番、2番、3番の各土地の境界に争いがあると分筆線が引けないので、公図や地図上に(1+2+3)のように表示されます。昔、10筆(山林)ほどが筆界未定地となった土地を見かけたことがありました。


また、和紙の公図をマイラー化するとき、分筆線が消えてはっきりしない場合にも筆界未定地となることがあります。


筆界未定地に家を建てると通常、登記ができないので未登記建物となり、金融機関から融資を受けるとき支障のでることがあります。


昔、2筆(例:1番+2番)の筆界未定地上に建物が登記されていて、付記として(本建物は1番地にある)が記載されているのを見て驚いたことがありました。
おそらく上申書を添付した事例かと思います。


<引用・参考文献>
編集代表:荒堀稔穂「Q&A表示に関する登記の実務第1巻」pp.42-43m,日本加除出版


地籍調査作業規程準則
(筆界の調査)
第三十条 筆界は、慣習、筆界に関する文書等を参考とし、かつ、土地の所有者等の確認を得て調査するものとする。
2 第二十三条第二項の規定による立会が得られないことについて相当の理由があり、かつ、筆界を確認するに足る客観的な資料が存在する場合においては、当該資料により作成された筆界案を用いて確認を求めることができるものとする。
3 土地の所有者その他の利害関係人及びこれらの者の代理人の所在が明らかでないため第二十三条第二項の規定による立会いを求めることができない場合で、かつ、筆界を明らかにする客観的な資料が存在する場合においては、前二項の規定にかかわらず、関係行政機関と協議の上、当該土地の所有者その他の利害関係人及びこれらの者の代理人の確認を得ずに調査することができる。
4 土地の所有者等の所在が明らかな場合であつて第一項及び第二項の確認が得られないとき又は前項に規定する立会いを求めることができない場合であつて前項の規定に基づき調査することができないときは、調査図素図の当該部分に「筆界未定」と朱書するものとする。

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